改正入管法案・修正案と付帯決議

入管法改正案は衆議院本会議で6月19日に可決され、7月8日には参議院でも可決され、成立しました。3年以内に施行されます。

(以下は衆議院可決時のもの)

一 特別永住者の特別永住者証明書等の常時携帯義務に関する修正

特別永住者の特別永住者証明書及び旅券の常時携帯義務とその違反に対する過料の規定を削除すること。

二 在留カード等の番号に関する修正

在留カード及び特別永住者証明書の番号は、その交付ごとに異なる番号を定めるものとするとともに、紛失や毀損等の場合以外の場合であっても、在留カード又は特別永住者証明書の交換を希望するときは、正当な理由がないと認められるときを除き、その再交付を求めることができる旨の規定を設けること。

三 所属機関の届出義務に関する修正

所属機関の受入れの状況についての届出義務を努力義務に変更すること。

四 中長期在留者に関する情報に関する修正

法務大臣は、在留管理の目的を達成するために必要な最小限度の範囲を超えて、中長期在留者に関する情報を取得し、又は保有してはならず、その取扱いに当たっては個人の権利利益の保護に留意しなければならない旨の規定を設けること。

五 在留資格の取消しに関する修正

1 日本人の配偶者等又は永住者の配偶者等の在留資格をもって在留する者が配偶者の身分を有する者としての活動を一定期間継続して行わないで在留している場合の在留資格の取消しについて、当該期間を「三月以上」から「六月以上」に延長するとともに、当該活動をしないことにつき正当な理由がある場合を除外することとし、当該取消しをしようとする場合には、在留資格の変更の申請又は永住許可の申請の機会を与えるよう配慮しなければならないものとすること。

2 上陸許可の証印又は許可を受けて新たに中長期在留者となった者が当該上陸許可の証印又は許可を受けた日から九十日以内に住居地の届出をしない場合の在留資格の取消しについて、届出をしないことにつき正当な理由がある場合を除外すること。

六 団体監理型の技能実習の活動に対する団体の責任に関する修正

団体監理型の技能実習の活動について、団体の「責任及び監理」の下に行われる旨を明確化すること。

七 検討規定の追加に関する修正

政府は、この法律の施行後三年を目途として、改正法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、改正法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする旨の規定等を設けること。

 
出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律案に対する附帯決議

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。

一 永住者のうち特に我が国への定着性の高い者についての在留管理の在り方の検討に当たっては、その歴史的背景をも踏まえ、在留カードの常時携帯義務及びその義務違反に対する刑事罰の在り方、在留カードの更新等の手続、再入国許可制度等を含め、在留管理全般について広範な検討を行うこと。

二 在留カード及び特別永住者証明書の番号については、これらの番号をマスターキーとして名寄せがなされることにより、外国人のプライバシーが不当に侵害されるという疑念が生じないよう、外国人の個人情報の保護について万全の配慮を行うこと。

三 所属機関の届出に係る努力義務については、的確な在留管理の実現に留意しつつ、その履行が所属機関の過重な負担となることのないよう、また、届出の内容が出入国管理及び難民認定法の目的の範囲から逸脱することがなく必要最小限のものとなるよう、その運用には慎重を期すること。

四 法務大臣が一元的かつ継続的に把握することとなる在留外国人に係る情報が、いやしくも出入国の公正な管理を図るという出入国管理及び難民認定法の目的以外の目的のために不当に利用又は提供されることがないよう、当該情報の取扱いに当たっては個人の権利利益の保護に十分に配慮すること。

五 配偶者の身分を有する者としての活動を継続して六月以上行わないで在留していることにより在留資格を取り消すことができる制度については、その弾力的な運用を行うとともに、配偶者からの暴力等により当該活動を行わないことに正当な理由がある場合には、在留資格の取消しの対象とならない旨の周知徹底を図ること。

六 新たに中長期在留者となった者が、上陸許可の証印等を受けた日から九十日以内に住居地の届出をしないこと及び中長期在留者が、届け出た住居地から退去した場合において、当該退去の日から九十日以内に新住居地の届出をしないことにより在留資格を取り消すことができる制度については、その弾力的な運用を行うとともに、正当な理由がある場合には、在留資格の取消しの対象とならない旨の周知徹底を図ること。

七 本法の施行による不法滞在者の潜行を防止する必要性があることにかんがみ、在留特別許可の許否の判断における透明性を更に向上させるため、公表事案の大幅な追加、ガイドラインの内容の見直し等を行い、不法滞在者が自ら不法滞在の事実を申告して入国管理官署に出頭しやすくなる環境を整備すること。

八 外国人研修生・技能実習生の受入れについては、本法律案が提出された趣旨にかんがみ、専ら低賃金労働力としての活用が横行することや、外国人研修生・技能実習生が劣悪な居住環境・就労環境に置かれることのないよう、入国管理官署、労働基準監督機関等の連携の下、人的体制を充実・強化し、法令違反、不正行為等について厳格な取締りを行うこと。

九 外国の送出し機関が外国人研修生・技能実習生から徴収する保証金等については、外国人研修生・技能実習生を不当に拘束する面があることにかんがみ、その徴収を行う外国の送出し機関からの外国人研修生・技能実習生の受入れを認めないことを含め、必要な措置を講ずること。

十 本法による外国人研修・技能実習制度の見直しに係る措置は、外国人研修生・技能実習生の保護の強化等のために早急に対処すべき事項についての必要な措置にとどまるものであることにかんがみ、同制度の在り方の抜本的な見直しについて、できるだけ速やかに結論を得るよう、外国人研修生・技能実習生の保護、我が国の産業構造等の観点から、総合的な検討を行うこと。

十一 入国者収容所等視察委員会については、専門性にも配慮しつつ幅広く各界各層から委員を選任するとともに、委員会が十全な活動を行えるよう、その活動に係る人的・物的体制を整備し、委員会に対する情報の提供を最大限行う等の特段の配慮を行うこと。

十二 本法により、退去強制を受ける者を送還する場合の送還先に、拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する条約第三条第一項等に規定する国を含まないことが明確に規定されることとなったことを踏まえ、退去強制を受ける者をその者の国籍等の属する国等に送還することの可否について、退去強制手続及び難民認定手続において、多方面から慎重な調査を行うこと。

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